「すべて手作りです」
「ハンドメイド作品です」
「熟練農家が手間暇かけて育てました」
「寿司職人が心を込めて握っております」
「専門のスタッフが手洗い洗車を行います」
こういったことに価値が置かれる時代です。
要は、人が手を加えているか、そうではないかということです。
ですが、人の手が加わっていない物、すべて機械で作られた商品や、機械が提供するサービスに価値がないというわけではないです。
どちらを選ぶかは、お客さま次第、ということだと思います。
例えば、
寿司職人が握った寿司か、ロボットが握った寿司か、
という場合は、
私は回転寿司チェーンのように、ロボットが握った寿司で、自動的に目の前に運ばれてくる寿司でいいです。
お手軽に、お安い値段で寿司を食べられるわけだし。
ですが時には、寿司職人が握った寿司を食べたくなることもあるでしょう。
その時には、サクッと銀座の高級寿司店に行って、大将のおすすめで握ってもらえばいいのです。
銀座に行くのがめんどうなら、特上にぎりセットを出前してもらえばいいのです。
なんなら自宅に寿司職人を派遣してもらって、目の前で握ってもらえばいいのです。
ついでにお友達も呼んで寿司パーティーを開けばさらに楽しいですね。
お金のことは心配しなくて大丈夫です。
宝くじを当てればいいだけですから。
話がそれましたが、
何が言いたいかというと、いま話題のイラストAIのことです。
ここ最近はイラストAIの性能がすごく、もはや人が描いたのか、AIが生成したのかわからない状況です。
単にイラストだけを表示されて、これは人が描いたものでしょうか? AIが生成したものでしょうか? と聞かれても、わからない人が多いと思う。
寿司でも同じことが言えます。
寿司だけが目の前に出されても、それは寿司職人が握ったものなのか、ロボットが握ったものなのか、わからない。
海原雄山ならわかるかもしれないけど、少なくとも私にはわからないです。
だから、人が描いたイラストなのか、AIが生成したイラストなのか、わかるようにしたほうがいいと思います。
その方法の一つとして、イラスト制作過程を、youtubeなどでライブ配信するのは良いことだと思う。
イラストがラフの状態から、だんだんと仕上がっていく様子を見ているのは楽しいし、人が描いています、という証拠になる。
これはまさに、カウンター越しに目の前で寿司職人が寿司を握っている姿を見ているのと同じことです。
このライブ感を体験することで寿司はより美味しくなり、そこに価値を置く人も多い。
私もイラストを描いていますが、まだまだ技術は未熟であり、いつもどうやってキャラを作ればいいか苦悩したり、どうやって塗ればいいのか迷ったり、悪戦苦闘したうえで、一枚のイラストを描き上げています。
しかし、最近のイラストAIの技術は凄まじく、ネット中にある、あらゆる画像を学習して、その技術を融合させてイラストを生成しているようですから。
とうぜん、私ごときでの技術ではまったく敵わない。
だからといって、私が描いたイラストに価値がないというわけではないはずです。
人が手を動かして作ったものには、そこに価値を見出す人が必ずいます。
これはプロだからとか、アマチュアだからとか、上手いとか、下手とか、上級者とか、初心者とか、そういうことではなく。
人か、AIか、の違いです。
だから、人が描いたイラストの証として、このブログにイラストの制作過程を書いていきます。
今回は、金髪ポニーテールの魔法使い女の子のイラストです。
まずは、顔の下絵を描きます。
なかなかいい顔が描けました。
次に、全身の下絵を描いていきます。
魔法使いの雰囲気が出てきました。
次に、下絵をしっかりと描いていき、ペン入れしやすいようにします。
ペン入れをして線画にします。
パーツごとの配色していきます。
濃い色を重ねて、立体感を出していきます。
ハイライトや目を描いてほぼ完成です。
最後に、別に描いた魔法の杖を持たせて、左右反転して完成です。
なぜ左右反転させたのかというと、
この素材は、右向きの素材として出していますが、私は右向きの顔が描けません。
右向きで描くと、どうしても歪んでしまいます。
なのでいつも、左向きで描き、最後に反転しています。
AIだと、右向きも左向きも関係ないと思うが、やはり人間には得意と不得意があります。
できることもあるし、できないこともある、にんげんだもの。
だが、やはりAIはすごい。
これからもっとAIが進化したら、前にブログで書いたように、絵師が仕事を奪われて、大量失業することになるかもしれませんね。
もし、そうなっても大丈夫ですよ。
解決策を思いつきました。
寿司を握ればいいんです。
寿司職人に転職すればいいのです。
イラストを描く人は、手先が器用な人が多いと思いますから、きっと美味しい寿司を握れると思います。
立派な寿司職人になれるはずです。
そして寿司職人になった暁には、
カウンター越しに、お客さんにこう言うんです。
「私は昔、絵を描くためにペンを握っていたのですが、今は寿司を握っているんですよ、ははは」と、
さらに、自分で寿司を握れるから、毎日寿司パーティーもできますよ!
寿司職人最高!
まてよ、
そうか!
そういうことだったのか!
イラストAIは、人類を滅亡させるためでもなく、
ましてや人類美少女計画のためでもなかった、
人類寿司職人計画のためだったのか!!